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Googleフォームの回答を毎日スプレッドシートへ手作業でコピペしている。更新したシートをSlackで共有し忘れてチームに怒られた。そんな小さな失敗が積み重なって、気づけば1日1〜2時間が「また同じ作業か」という繰り返しに消えていく。心当たりがある人は少なくないはずだ。
**Makeとは何か**
Makeは、もともと「Integromat」という名前で知られていたノーコードの自動化ツールで、2022年にリブランドされた。ざっくり言うと「アプリとアプリの間を自動でつなぐパイプ役」だ。
操作の中心はビジュアルなフロービルダー。アプリのアイコンをキャンバス上に並べて矢印でつなぐ、それだけでシナリオが完成する。コードは一切不要。エンジニアがいない総務・バックオフィスの現場でも、ブラウザさえあれば翌日から使い始められる。
接続できるアプリ数は公式発表で1,800以上。Google Sheets・Google Forms・Gmail・Google Driveはネイティブモジュールとして提供されており、Slack・Notion・HubSpotなどもそのまま使える。
**スプレッドシート自動化、実際にどう使うか**
一番わかりやすい例が「フォーム送信→シート記録→Slack通知」の三段階シナリオだ。
たとえば社内の経費申請フォームを例に取ると、こんな流れになる。
1. 社員がGoogleフォームで申請を送信する
2. Makeが検知して、自動でスプレッドシートの指定行へ転記する
3. 申請金額が5万円以上の場合だけ、Slackの「#経費承認」チャンネルへ通知を飛ばす
これが一つのシナリオで完結する。条件分岐(金額の大小で通知先を変えるなど)やループ処理も、ビジュアル上で組めるのがMakeの強みだ。同じことをZapierでやろうとすると、複数のZapを組み合わせる必要が出てくるケースが多い。
**Zapierとの違い、価格も含めて正直に書く**
Zapierと比較されることが多いが、差はざっくり二点ある。
ひとつは「複雑な処理への対応力」。Zapierはシンプルな一対一連携が得意な反面、分岐・ループ・エラーハンドリングが絡むシナリオになると構成が煩雑になる。Makeはそのあたりをビジュアルで整理できるため、処理が複雑になるほど相対的に使いやすくなる。
もうひとつは価格。Makeの有料プランは以下の通り(年払い時)。
– Free:月1,000オペレーション・5シナリオ(無料)
– Core:$9/月
– Pro:$16/月
– Teams:$29/月
Zapierの有料プランと比べると一般的に割安とされているが、為替レートや最新価格は各公式サイトで必ず確認してほしい。料金は変動するし、円安局面では実質負担が変わってくる。
**無料プランの正直な話**
無料プランはクレジットカード不要で即日スタートできる。「まず試してみる」のハードルは低い。
ただし、月1,000オペレーションという上限には注意が必要だ。たとえばフォーム1件の処理で3〜4オペレーション消費するとすると、1日10件の申請が来る職場なら月20〜25営業日で1,200〜1,500オペレーション。あっという間に上限を超える計算になる。
本格的な業務量で使うなら、無料期間中に「自分の業務ではどのくらい消費するか」を意識的に計測しておくといい。その数字を持った上で有料プランへの移行コストを判断するのが現実的だ。
**向いている人・向いていない人、どちらも書く**
合いやすいのはこういう人だ。
– Google Workspace(フォーム・シート・Gmail)が業務の中心になっている
– フォームの転記・通知・集計を手作業でやっていて、地味に時間が取られている
– Zapierを使っているが月額コストが重くなってきた
– エンジニアに頼まずに自動化したい事務・バックオフィス担当
一方で、以下のケースには向かない可能性が高い。
– UIが英語のみのため、日本語インターフェースが必須の環境には合わない(2025年時点で日本語対応なし)
– Microsoft 365中心の環境で、ExcelやTeamsをメインに動かしたい場合は、Power Automateのほうが親和性が高い
– 月に数件しか処理が発生しない個人利用の場合、自動化にかける設定コストのほうが大きくなりがち
「便利そう」で飛びつく前に、自分の業務フローのどこに本当に手間がかかっているかを整理してからツールを選ぶほうがいい。それがMakeでなくていいケースも、正直ある。
毎日の転記・通知作業に時間を取られているなら、まず無料プランで自分の業務を1シナリオ組んでみるところから始めてみてほしい。うまくいけば、その日から1〜2時間が返ってくる。
